2013年4月、浦添市の病院で行われた親子の生体腎移植手術の際、息子に腎臓を提供した母親が手術中に大量出血し死亡した事故で、外部調査委員会の報告書がまとまりました。
手術中に、医師が指で動脈を損傷させたことが直接の原因と結論付けました。
生体腎移植手術が行われたのは浦添市の同仁病院で、3日、病院側は会見の冒頭「このような事故をきたしたことにつきまして、深くお詫びを申し上げたいと思います」と頭を下げました。
外部調査委員会の報告書によりますと、2013年4月13日、65歳の母親から43歳の息子へ腎臓を移植するため母親の腎臓を取り出していたところ、突然、大量に出血し、母親はおよそ7時間後に死亡しました。
報告書では、内視鏡手術で腎臓を取り出す際に一時的に指が見えない状態となり、執刀医が内腸骨動脈を損傷したことが大量出血の直接原因としています。
しかし、血管の損傷は手術による「合併症」だとしていて病院側も医療ミスとの認識は示しませんでした。
山内英樹院長は会見の席上「合併症とはいえ、重大な結果で慙愧に堪えない」と述べました。
国内で行われたおよそ2万件の生体腎移植手術で、提供者が死亡したのは今回が初めてです。
調査委員会では、常に血管の損傷を意識して慎重に手術を行うことや、指先が見えない状態での手術をできる限り回避することなどを提言しています。