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Qプラスリポート 「こども食堂」の新たなカタチ

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「子どもの貧困」や「孤食」などの社会的な課題に対し、食を通して支援をしようと今全国的広がっている「こども食堂」。

県の子ども生活福祉部によりますと、県内には「こども食堂」をはじめ、子どもたちへ食事支援を行っている場所が去年10月1日現在で、およそ100か所あるということです。

そんな中、名護市にあるこどもいちば食堂は、地域の強いつながりで子ども達を支えています。そこから見えてきたこども食堂の新たなカタチそして、本来あるべき姿を考えます。

Qプラスリポート 「こども食堂」の新たなカタチ

食欲をそそる料理の香りと子どもたちの笑顔が溢れているこの場所は「こどもいちば食堂」。

貧困世帯の子ども達に安心してご飯が食べられる場所を提供しようと、おととし4月に開設されましたが、対象は限定せず、地域の子ども達誰もが参加できるようにしています。毎週土曜日には40~50人の子ども達が集まってきてとても賑やかです。

Qプラスリポート 「こども食堂」の新たなカタチ

宇根さん「最近はこの人数です」男の子「最近は人が多くなってきてるんだよ。毎週来てるよ」

こどもいちば食堂を立ち上げたのは新里善彦さんと宇根美幸さん。以前からボランティアでフードバンクなどの活動をしていた宇根さんが、こどもの貧困問題についてFacebookで現状を報告していたのを、この市営市場にあるさくら食堂の経営者・新里さんが読んだことがきっかけでした。

Qプラスリポート 「こども食堂」の新たなカタチ

新里善彦さん「給食しか食べられない子とかけっこう多いらしくて、だったらこういった市場の施設があるので、一緒に子ども食堂を立ち上げませんかということで」

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このこどもいちば食堂には大きな特徴が。子どもたちにただご飯を提供するだけではなく、ここでは一緒に調理から始めます。

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宇根さん「きょうご飯なかったっていう子ども達がいるんですよ。家には材料はある、お米もある、自分たちで作れれば、お母さんが作らなくてもご飯はお腹が空いたら食べられる。生きる力をつけさせたいというのが私たちの思いです」

そして、調理を教えているのは何と名護市にあるマリオット・インターナショナルグループのホテルで働く本物のシェフたちです。

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ザ・リッツ・カールトン沖縄 森桂太さん「子ども食堂の話を聞いて、ぜひ我々も力になろうやってみようということで。料理楽しい?」(男の子)「うん」

オキナワ マリオットリゾート&スパ 寺嶋誠一郎さん「もう少し大きくなったら、次の小さい子に教えてくれるお姉さん・お兄さんになってくれたらいいのかなと」

女の子「(Q:料理、上手になった?)はい、家で作る機会も増えました」

さらに市場から少し離れている子どもたちの送迎をオリオンビールの社員が行うなど、企業が積極的に協力している他、名桜大学の学生たちも手伝いや学習支援などに来ています。

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この場所の運営には、名護市からの補助金や寄付金などが充てられていますが、企業や学生たちはすべてボランティア。地域で子ども達を見守る態勢がこのこどもいちば食堂にはできています。

宇根さん「地域の方々も企業も、今取り沙汰されている子ども達の課題というのに何かをやってあげたいという気持ちがあると思います。みなさん本当に積極的に参加してくださっているので」

ただその一方で宇根さんは不安や課題もあると言います。

宇根さん「子ども食堂なんですけど、全国で広がっていっている、県内でも広がっているんですけど、一時の流行というか、ブームにならないようにしていきたいなというのもあります」

Qプラスリポート 「こども食堂」の新たなカタチ

子どもの貧困問題が取り沙汰されている今、地域貢献や補助金の対象としてスポットを当てられやすくなっているのが現状ではないかと話す宇根さん。今後、いかにこの場所を継続していくか悩みは尽きないと言います。

先月23日、この日はこどもいちば食堂のクリスマス会。自分たちで作ったご飯を食べた後、子ども達にはケーキも振舞われました。

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女の子「とっても楽しいです」男の子「(Q:お味はどう?)おいしいです」

そして、那覇の自動車販売店からはお菓子がプレゼントされたほか、最後はみんなでジャンケン大会。市場に子ども達の元気な声が響きます。

新里さん「子ども達がこの市場を遊びの場でも学びの場でも、子ども達の場所として使ってもらえればすごい良いのかなと思いました」

宇根さん「子ども達にとって安心できる場所、何かここに相談すれば自分たちの夢に近づけるような助けてくれる、応援してくれる大人がいる場所だと思ってもらえたらいいなと思います」

Qプラスリポート 「こども食堂」の新たなカタチ

この笑顔を守っていくのは大人の役割ですよね。宇根さんは、この子ども食堂を長く続けていけるようにしていきたいと思う一方で、改めてこういった場所を作らなくても地域で子どもを育てていく、見守っていく意識を持って取り組んでいくのが本来あるべき姿なのではと話していました。


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